・製品概要

光酸発生剤 CTPAG-Ⅱ®
(Cyclo Propen Photo Acid Generator)
  • 近年、集積回路の集積度はますます高まる傾向にあり、それに伴い半導体基盤の微細加工技術も進歩しております。微細加工の解像度は露光光の波長に比例する ため、近年は KrF エキシマレーザー(248 nm)、さらには ArF エキシマ レーザー(193 nm)へと短波長化が進められており、最近では 100 nm以下の 領域まで達しております。 これらの波長に対応する化学増幅型レジスト用光酸発生剤(スルホニウム塩誘導体) がいくつか開発され実際に使用されてはおりますが、有機溶媒に対する相溶性や保存時の安定性(対求核剤や熱)等などの基本条件を全てにおいて満足させるものはいまだ開発されておりませんでした。

    弊社ではこれらの諸問題を一気に解決する光酸発生剤の開発に取り組んでおり、 先般 CTPAG®の開発に成功いたしております。 しかしながら、CTPAG®は構造中にカルボニル基以外に芳香族環等の UV 領域の 波長を吸収する部分を有していないため、透明度が高すぎて能力を充分に 発揮できない、また低分子量のため、加熱工程時に昇華してしまうなどの欠点がございました。

    そこで、CTPAG® に UV 領域の波長を吸収するベンゼン環を導入した CTPAG-II® の開発に成功いたしました。これにより高光酸発生効率の達成、加熱工程での昇華防止を実現いたしました。

    従来の光酸発生剤にくらべ有機媒体への相溶性が高く、また保存安定性に優れ さらに ArF エキシマレーザーのような次世代微細加工技術にも対応可能な 大変優れた性能を有しているため、半導体基盤の微細加工の最先端での利用が期待されます。
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